2020年12月

 世界はEU、NAFTAなどにみられるように国家を超えた統合化のトレンドが進む一方で、民族・地域・宗教・個々の業界・独自企業文化などによる多様なコンテクストの尊重を目指す多元化のトレンドが並行してある。こうした国際的な動きに対し、各国がどのように反応するのか、また現実に遵守される普遍的規範ができるのか、つまり、いわゆる超規範(ハイパー・ノーム)が可能か否かの問題が大いに議論されねばならない。目下の世界の大きな潮流は、普遍性と多様性の二つの同時並行的状況にあるだけに必ずしも容易な問題とは言えない。