2021年3月

一般に、発展途上国の国々は経済水準の向上を通じて、それぞれの国民的所得を増加させ、就業の機会を増やし、貧困や失業からの脱却を目指すのは当然であって、その目的達成のためには、人権をはじめ、人間性の重視が少々おろそかになることはやむを得ないとする考え方が強いと言える。 先進諸国の批判に対して、それを頭で理解し得ても、現実の経済・社会状況から判断すれば、経済開発を人権や人間性よりも優先させるのは、決して誤った価値観ではないとする開発途上国の主張は無理からぬ面があるとも言えよう。