「働き方改革」で議論
3月10日、日本経営倫理学会(JABES・潜道文子会長)による第12回シンポジウムが開かれた。オンラインzoom方式、実行委員会(水尾順一委員長)中心に運営、テーマは「With/Afterコロナと働き方改革」、視聴者約130人が参加した。
基調講演「変革の機会を味方に…」上野氏

今回のテーマが、現在、最大の課題となっている「働き方」をとり上げただけに、学会や産業界から高い関心が寄せられた。
潜道会長の開会挨拶につづき、上野幹夫氏(経営倫理実践研究センター理事長、中外製薬取締役副会長)による基調講演があった。講演テーマは「変革の機会を味方につけて新たな価値を生み出すー働き方改革の推進」で、上野氏は中外製薬における取り組み事例を中心に説明した。 学会中心型のイベントの中には、研究成果や調査発売タイプがあるが、今回の基調講演は経営者に基づく解説で、具体的で解りやすい、と好評だった。
パネル討論では、踏み込んだ議論が…
この後「New Normal時代の働き方改革ーその具体的方向性と、実現に向けた課題および解決策を求めてー」のテーマで、パネルディスカッションが行われた。現状では解決策は、なかなか見出せない中で熱っぽく踏みこんだ議論が続いた。
ファシリテーターとして松田千恵子氏(東京都立大学教授)、パネリストとして馬越恵美子氏(桜美林大学副学長・教授)、能村幸輝氏(経済産業省産業人材政策室長)、ロッシェル・カップ氏(北九州市立大学教授、Japan lntercultural lnc社長)による討論が行われた。
先を見通せないコロナ禍の中、世界中の人々が生き方、働き方を模索している現状下、さまざまな対応、考え方が話し合われた。議論の中で、カップ教授が新しい働き方について、従来よりも更に柔軟性を持ってダイナミックに取り組む「反転職場」について解説、注目された。
3組織による情報発信を…
クロージングスピーチとして「With/Afterコロナと働き方改革に向けたACBEEの役割」千賀瑛一(日本経営倫理士協会・専務理事)と、閉会の言葉、水尾順一(シンポジウム実行委員会、駿河台大学名誉教授)の両氏が挨拶した。
水尾実行委員長は、今回難しいテーマではあったが、取り組むことの重大性を強調、JABES、BERC、ACBEEの3組織による協力体制の強化、情報発信の拡充など話した。総合司会は、葉山彩蘭(淑徳大学教授)が担当した。