13日、「ACBEEシンポジウム」高まる関心 

7月13日、ACBEEシンポジウム「ダイバーシティ経営と女性が輝く職場」が開かれた。(オンライン)
今最も注目されている、ダイバーシティ経営の取組み、改正女性活躍推進法の動向、中間管理職としての視点などについて発表と解説が行われた。いま注目のテーマだけに、終了前には、活発な質問が相次いだ。

津村氏(アデランス)ら、活発な発言

総合司会 北村 和敏 氏
(NPO法人日本経営倫理士協会常務理事

 同シンポは1〜2部で構成。第1部は基調講演と解説で津村佳宏氏(株式会社アデランス代表取締役社長 グループCEO)の『ECSR三方よし経営によるダイバーシティの重要性』、つづいて近藤恵美氏(サントリーホールディングス株式会社リスクマネージメント本部 コンプライアンス室室長による『サントリーホールホールディングス ダイバーシティの取組み』、最後に光永圭子氏(厚生労働省雇用環境均等局雇用機会均等課 課長補佐)による『改正女性活躍推進法の概要と企業の取組について』の3氏による発言があった。総合司会コーディネータは北村和敏氏(ACBEE常務理事)。

講演① 津村  佳宏 氏
(株式会社アデランス 代表取締役社長 グループCEO


基調スピーチにあたる第1部では津村氏がESSR三方よし経営を重点に説明。ECSRは、ES(社員満足)、CS(お客さま満足)、CSR(企業の社会的責任)を踏襲した造語。「幅広い視点からの経営への取組み」「国籍、性別等に関係なく活躍する社員をサポートし、社会全体の活性化をめざす」など提言。つづいて近藤氏から、サントリーHDでの事例を中心に「上司の理解促進、育児との両立、女性の意識改革など…女性活躍支援の重点課題」について発言があった。さらに光永氏は行政の立場から「女性活躍推進法のしくみ、同法の施行状況、女性活躍推進企業データーベースの活用」などについて幅広い解説があった。

光永 圭子 氏
(厚生労働省雇用環境・均等局 雇用機会均等課 課長補佐
近藤  恵美 氏 
(サントリーホールディングス株式会社 リスクマネジメント本部 コンプライアンス室 室長

第2部・クロストークでは、第1部で出講のパネリスト3氏による意見交換・質問の応答があった。
視聴者から「女性活躍推進法の改正で、義務化と罰則が気がかり(特に中小企業の立場から)」「女性管理職登用の難しさに悩んでいる」などの質問が出た。


北村コーディネータが、第1部~第2部でのパネリストの発言の中での課題を掘り下げていった。
スピーチ原稿は練り上げられたもので、資料は最新データが提供された。テーマが広範な内容を持っているだけに、今回のシンポをステップに、さらに勉強していく意欲が高まっていた。

ACBEEの重要な「情報発信」として

いま、「女性活躍推進」は世界的なテーマで、日本でも平成28年4月、法律が施行され、大きな流れとなって動き出した。今回のシンポジウムでは厚生労働省 雇用機会均等課の担当者が参加、広範な同法の中から民間事業主関係部分を重点的に解説したのが注目された。

13日のシンポジウムには企業のCSR、コンプライアンス系の担当者らの視聴が多く、女性一般職、中間管理職の参加が目立った。オンライン方式なので関西などからの視聴もあり、本テーマへの関心の高さをうかがわせた。

ACBEEシンポジウムは今回で12回目。原則、年1回開催方式で2009年から継続している。ACBEEでは経営倫理士資格講座をはじめ、研修講師派遣、不祥事動向調査など幅広く活動を展開しているが、常に情報発信を重視、「HP」「不祥事調査報道」「シンポジウム」が3本柱となっている。シンポジウムはタイムリーなテーマを選び、関係者による重点討議スタイルでの情報共有、資料提供に高い評価を受けている。