(25)人生の転機を前に

ACBEE総合企画委員 清澤 誠(日通キャピタル)

 第23期経営倫理士取得講座の開講式で、受講者の方々が述べられた受講動機で私が印象に残ったのは、「60歳を前に他部門からコンプライアンス部門に異動になって」、「定年後のキャリアを考えて」というコメントでした。実は私も58歳になった昨年、本講座と同じような時期に「キャリアコンサルタント」の養成講習を受講しました。6月から9月まで、ほぼ毎週金曜日は講習で学科と実技を学び、12月の試験まで土日は復習と試験勉強という半年を過ごしました。

5つの行動指針 ~ 好奇心、持続性、楽観性、柔軟性、冒険心

 その講座で学んだひとつが、「人生の転機」に関するキャリア理論です。スタンフォード大学のクランボルツ教授が提唱する「計画的偶発性理論」では、「個人のキャリアの8割は予想しない偶発的なことによって決定される」としています。偶然を計画的に設計して、自分のキャリアを良いものにしていこうという考え方で、そのためには「好奇心、持続性、楽観性、柔軟性、冒険心」を持つことが大事だと指摘しています。

 私の場合にはまだキャリアの決定に至ったわけではありませんが、今回の資格取得に至る経緯を振り返ってみると、クランボルツ教授の理論を身をもって体験したように思えます。
 2月に引っ越したマンションの「ライブラリー」なる共用スペースで勉強したり、読書したりする方々を目にするうちに、折角なら自分もこのスペースを活用してみようと思ったこと(好奇心)、以前に取得した産業カウンセラーの資格や主に総務・人事部門で勤務してきた経験と知識があれば何とかなるだろうと思えたこと(楽観性)、週末は趣味のゴルフやスポーツジムという行動パターンを変えたい気持ちになっていたこと(柔軟性)、50歳代のうちにもう一度何か勉強してみようという気持ちがわいてきたこと(冒険心)、さらには常時アンテナを高くしていたこと(持続性)が今回の国家資格キャリアコンサルタントの資格取得につながったと実感しています。そして、理論を学ぶことの大切さも改めて認識しました。

■さまざまな活動を通じて学び、チャンスをキャリアに

 年齢とともに衰えがちな好奇心、持続性、楽観性、柔軟性、冒険心を失わず、ここ3年ほど続けさせていただいている当協会の総合企画委員としての活動、この5月から始めたキャリアコンサルタントの勉強会やボランティア活動、マンションでのサークル活動など、これからもさまざまな活動を通じて学び、チャンスをキャリアにつなげていこうと、定年という人生の転機を前に決意を新たにしたところです。