(27)ヘアドネーションしました

ACBEE 総合企画委員 殿原 鉄也

還暦を機に断髪して役立てる

  今年還暦を迎え、先日美容室で髪を切りました。なぜ美容室なのか。ヘアドネーションのためでした。髪を伸ばし始めて2年3カ月。ヘアドネーション(髪の毛の寄付)に、必要な長さの31センチぎりぎりでした。小さい束10束ぐらいに分け、1束ずつジョリ、ジョリと刈り取っていくという感じでした(写真)。刈り取った後、「ヘアースタイルどうします?」と、かっこいいモデルさんの写真を見せられました。「これでお願いします」(スタイルも!)。結果、髪は一気に短髪! 髪型:若者風(ちょっと立ってる)、体型:還暦。刈り取られた髪は、思いのほか多く、何とか役に立ちそうでした。

■18歳以下の子どもたちに無償提供

 今回寄付した先は、『寄付された髪だけで作ったメディカル・ウィッグを頭髪に悩みを抱える18歳以下の子どもたちに完全無償提供している日本で唯一のNPO法人JHD&C』でした。たまたま、総合企画委員にアデランスの方が居られ、このNPOの支援をされているということを聞きました。

脳腫瘍だった幼なじみの死をもって

 ヘアドネーションをするきっかけは、幼なじみの女性が脳腫瘍で亡くなったことです。数年前、脳腫瘍で永くないことの告白と、治療のため毛髪が抜けることがショックだと聞かされました。私自身、勤務先の会社で医薬にかかわっていたこともあり、がん治療薬の副作用で髪が抜けることは、よく知っていました。そして、当然のことと認識していました。ただ、この時彼女の言葉を聞き、改めて、いくら治療のためとはいえ髪が抜けるということは、大変つらいことだと認識させられました。このことがあって、ヘアドネーションについて調べたりしていたのですが、2年3カ月前の転勤を機に、髪を伸ばし始めたのです。
 髪を伸ばし始めたころの周りの反応は、普通に「どうしたの?」から「髪伸ばすの? イメチェン?」「ちょんまげ? 相撲部屋入門?」などと、からかうような感じでした。ヘアドネーションのためと理由を説明すると、「へえ、そういうのあったの」「男性の髪でもいいの? 女性がやるんじゃないの」と、さらに、興味を示してはくれました。いいことだと言ってくれる方、どうすれば協力できるのかを聞いてくれる方もいました。ただ、ヘアドネーションを知らない方がほとんどでした。知る機会がないといった方がよいのでしょうか。
 メディカル・ウィッグを必要としている方は、いろいろな髪質、髪形、十人十色なので、ウィッグに必要な髪も黒髪、白髪、染めていても、またパーマをかけていてもよいそうです。多様性があるのですね。
 美容室で聞かされたのは、31センチに満たない髪も美容師の練習用マネキンに使われ、無駄にはならないそうです。また、その売り上げはウィッグを作る経費として活用されているとのことでした。髪の毛の寄付が増えてくると、ウィッグを作る経費も不足してしまうため、そちらの捻出も必要なのです。 この活動は、まだ広く知られていませんが、美容室、理髪店などの多くの協力店が窓口となり、より多くの方々が気楽に協力できるようになればと思います。

◇「マイ・ノート」経営倫理 シリーズは、今回が最終回です