第23期経営倫理士講座 第14回番外編・講義レポート

講師:高野 一彦
講師所属等:日本経営倫理士協会 理事/関西大学 社会安全学部・大学院社会安全研究科 教授 博士(法学)
講義テーマ:「企業を取り巻く法の変化~この10数年間で何が変わったのか?

各社の事例と問題の解決法について熱いグループ論議

 第14回は番外編として「講座総括 ミニシンポジウム~企業不祥事にどう向き合うか」で10月21日、関西大学社会安全学部・大学社会安全研究科教授の髙野一彦講師がファシリテーターとして行われた。事前説明の後、資料として①企業取り巻く法の変化、②近年の企業不祥事を用いて27人がグループに分かれ熱のこもったディスカッション、さらに全体のディスカッションを各1時間ほど行った。3時間にわたったディスカッションの概要項目をまとめた。

■企業を取り巻く法の変化

法内部統制システムの基本となる法制度
・会社法(不祥事予防がメインテーマ)
・金融商品取引法(財務報告の正確性と適正開示が目的)について
②法が企業の求める自律的な管理(主目的と法の要請)
・会社法
・金融商品取引法
・個人情報保護法
③求められる企業のグループ管理
・この10数年で企業グループとしての企業管理が求められるようになる
④コーポレート・ガバナンスと内部統制=OS(基本ソフト)
⑤経営者の経営判断の合理性に関する判断基準
・適法性判断
・社会受容性判断
・経営判断
 ⑥論点の整理
・情報に関する事件
・経営者が関与した事件
・公益通報者保護制度
・海外法の域外適用
・データ改ざん事件
   価値観と倫理観の共有がテーマ

■グループディスカッション

各社の事例、問題、解決法について

■全体ディスカッション

・情報収集と発信、経営者の意識、倫理研修がポイントとなるとの意見があった。
・通報制度の充実、モニタリング、アンケート、エンゲージメントサーベイの実施、組織風土の見える化への対応の必要性があげられた。
・GDPR(General Data Protection Regulation=一般データ保護規則)を含めた海外法への対応として、グローバル規定を作っている企業事例が取り上げられた。
・企業不祥事が繰り返される背景には、IT技術、多様性の変化に企業がついていけていない、組織の問題、ルールを知らない、規程やルールがあるにもかかわらず知らずに踏み外してしまう、業績優先で悪意を持たずにルールを逸脱するという内容があげられた。
 また、対策として、社内だけはなく他社や客観的な目を持つ人に、異常値がないかを見てもらう。また、評価を含めた制度の見直しをすることで、最終的に倫理観を高めることにつながるという意見があった。

■近年の企業不祥事

情報流出事件
・情報漏えいとリスク
・京都府宇治市住民基本台帳データ流出事件
・B社顧客情報流出事件
・不正競争防止法
・改正個人情報保護法
・どのような情報管理を行えば良いか?
②経営者の義務と責任
・取締役の義務と責任
・会社法における内部統制システム構築義務
・経営者の経営判断の適法性に関する判断基準
・反社遮断の仕組みづくり
③公益通報者保護法制

(講座リポート:ACBEE総合企画委員 新田 香子)